どの区間も、走る選手は一生懸命。色々なシーンで感動するのが箱根駅伝です。各区間の特徴を把握すると、もっと応援が盛り上がるでしょう。全区間を紹介します。

1区
往路はここから始まります。全体的に平坦な道のりの区間です。選手が一斉にスタートするので最初は団子状態で進みますが、どの選手がどこで抜け出すのか、その駆け引きがポイントです。スタートを任された選手たちの緊張がすごく伝わってきます。
2区
各校のエースがエントリーされるため、花の2区とも呼ばれています。華やかさとは裏腹に、長い上り坂が続き、難しい所が多く厳しいコースで、走力と強い精神力が必要です。外国人留学生のごぼう抜きも見応えがあります。
3区
走る左側に湘南の海が見える景色のよいコースです。しかし海風が強く体力が徐々に奪われるため、ペースの調整が難しい区間ともいえます。どれだけ体力を温存できるのか、海風と寒さとの駆け引きが勝負を決めるカギです。
4区
従来の距離が変更され長く延びた区間です。終盤にアップダウンが続くため、耐えられる逞しい走りのできるタフな選手が求められます。次の5区の山登りの前に、前者との差を縮めたい、後者を引き離したいなどの戦術の攻防が見どころです。
5区
コースのほとんどが登りの超難コースです。平地のレースとはまた違う脚力とスタミナが選手に求められます。山登りに順応した上りのスペシャリストと呼ばれる選手が一気に突破してくることもあり、往路終盤で大幅な順位変動が起こることも多く、ドラマが生まれるコースです。
なお、山登りに対する選手の負担を軽減するためにコース変更がありました。そのため「山の神」で注目を浴びた選手の記録は、参考記録となっています。

6区
ここから復路となり、前日の往路の結果で順番にスタートしていきます。山を一気に下り、駆け抜けていくコースです。下りのスピードが出る中、急カーブが何度もあるため膝への負担は半端なく、走った選手の足裏は皮がズル剥けるといわれます。
タイム差を縮めるか離せるかのカギを握る区間です。下りのスペシャリストがいることもあります。
7区
全区間の中では一番走りやすい区間ではありますが、気温がちょうど上がり始める時間帯に走ることになります。環境の変化や身体がついていけないと失速することもありえますので油断は禁物です。上位争いも大体しぼられてくるのでシード権争いが熾烈する区間です。
8区
海沿いのシンプルなコースから後半は上り坂となり、さらに段々と強くなる日差しが選手の体力を奪って苦しめます。優勝争いを考えて、この区間にも良い選手を配置してくることが多いようです。
9区
往路での花の2区の裏返し区間となり、松の9区と呼ばれているコースです。権田坂の長い下りからはじまり、後半は平坦に変わるためペース配分が勝負を分けます。またトップの大学との差が大きくなるのもこの頃で、繰り上げスタートとなる大学が出てきます。繰り上げスタートのシーンは心が痛みます。どうかタスキを繋げて欲しいと願う区間です。
10区
最終区間です。優勝を目指す大学や、シード権を狙う大学の想いを背負って最終区間を任されたランナーがゴールに向かいます。沿道の声援もますます大きくなり、ゴールで選手を待ちます。
コースは平坦ですが、選手がいつもの力を発揮できるかどうかで一気に順位が変動することもあり、最後まで見逃せません。思わぬアクシデントが起こらないように無事にゴールして欲しいと願う区間です。