ルーター(英: router)は、コンピュータネットワークにおいて、データを2つ以上の異なるネットワーク間に中継する通信機器です、通信プロトコルにTCP/IPが使われるようになってから普及してきました。
どのルートを通してデータを転送すべきかを判断するルート選択機能を持っており、それはルーターという名前の由来となります。
ルーターはネットワーク間を相互接続する通信機器であり、通常はOSI基本参照モデルでの第1層(物理層)から第3層(ネットワーク層)までの接続を担います。
ルーターの基本機能は四つあります。
ルーターは、ネットワーク・セグメントの異なるLAN側のインタフェースや、WAN側のインタフェースなどの中から2つ以上の物理インタフェースを有します。
主な物理インタフェースの種類は以下になります。WAN側 ISDN PRI/BRI シリアル
WAN網に送出されるデータはデータリング層プロトコルによりカプセル化されます。プロトコルの種類には、HDLC、PPP、X.25/LAPB、フレームリレー、ATMなどがあります。LAN側 イーサネット(Ethernet)
それぞれの物理インタフェースは、様々な回線種別に対応しており、タイプとして固定型とモジュラー型に分かれます。ルーティング
ルーターは、受信パケットの宛先情報から経路選択を行います。これをルーティング(Routing) といいます。ルーティングを実施する際にルーティングテーブルの情報が参照されます。フィルタリング
リング とはルーターが不要なパケットを配送しない、または特定のパケットだけを配送するように制御したり、配送時にパケットに対して何らかのアクションを実行する機能です。一般的には特定パケットに対する配送制限機能として利用されます。管理
ルーターは、経路情報を持つ ルーティング・テーブルの管理をおこないます。経路情報を設定する方法には、管理者が手動で設定する静的ルート (Static Route) と、ルーティング・プロトコルで設定された動的ルート(Dynamic Route) があります。 ルーターの分類
ルーターは用途や規模によって主に以下のように分類することができます。
WAN-WAN用WANとWANを高速に接続するルーターです。主にISP向けのコア・ルーターと大手企業向けのセンタ-・ルーターに分かれます。コア・ルーター
基幹ネットワークを構成するルーターです。ISP内の地域別ネットワークや複数のISP間のネットワークを相互接続用に使われます。価格は数千万円~になりです。センター・ルーター
WAN回線を介して企業のネットワークやISPと企業のネットワークを相互接続用に使われます。価格は数百万から数千万になります。LAN-WAN用
通信回線を利用してLANとWANを接続するルーターです。WANルーター、リモート・ルーターとも呼ばれます。
通信回線として、ISDN回線、 専用線、フレームリレーなどの回線(網)での利用が可能です。
主に企業向けのエッジ・ルーターとコンシューマー向けのブロードバンド・ルーターに分かれます。エッジ・ルーター
基幹ネットワークの端に設置されるルーターです。 企業の支店や営業所内のネットワークをWAN回線につないで本社のセンター・ルーターにアクセスします。 価格は数万円から数百万円になります。ブロードバンド・ルーター
家庭や小規模企業でADSLやFTTHなどのブロードバンド・インターネット接続用に使われます。価格は数千円から数万円になります。LAN-LAN用ローカル・ルーター
構内のLAN間接続するルーターです。リモート・ルーターの違いは、公衆電話回線や専用線といった、LAN以外の通信回線を介さないネットワーク間の接続のみを行う点です。
モデルが別に必要なADSL専用のルーターは、モデルとルーターの間はLAN接続のため、ローカル・ルーターの一種でもあります。
有線/無線によって、有線ルーターと無線ルーターとの分類もあります。
ブロードバンド・ルーターの付加機能製品としてのブロードバンド・ルーターは、商品を差別化するため、基本機能のほかにも、以下のように様々な付加機能があり、一部はすでにスタンダード的な実装になっております。
DHCPサーバ機能DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)とは、パソコンが自動的にIPアドレスを取得して、プラグ・アンド・プレイでネットワークを利用できるようにするための仕組みです。
DHCPサーバ機能が内蔵されたルーターは、接続しているパソコン等に自動的にIPアドレスを割当てることができます。NAT機能
NAT(Network Address Translation)とは 、IPアドレスを別のIPアドレスに変換する技術のことです。ブロードバンド・ルーターは、インターネット接続のグローバル・IPアドレスをLAN内での一つのププライベートIPに変更することができます。
これによって、LAN内の一台コンピュータを、サーバとしてインターネットに公開させることができるようになります。NAPT機能
NAPT(Network Address Port Translation)とは、その名の通り、アドレスに加えてポート番号も変換するという技術の事です。ブロードバンド・ルーターはポート番号を手がかりとしてグローバル・IPアドレスを複数のプライベートIPアドレスに変更することができます。
これによってLAN内の複数台のコンピュータとも、サーバとしてインターネットに公開させることができるようになります。DMZ機能
DMZとは、インターネットに接続されたネットワークにおいて、ファイアウォールによって外部のインターネットからも内部の組織内ネットワークからも隔離された区域のことです。通常はインターネットに公開するWEBサーバやメールサーバなどはこの区域に置かれます。ハブ機能
ブロードバンド・ルーターは殆ど4ポート以上のハブが付属しています。無線LANのアクセス・ポイント